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メーヌ・オセアン [映画]

これはロードムービー香りぷんぷんでした。
最初に登場するのが、ブラジル人のモデルでダンサーの女性。
言葉のわからないブラジル人がフランスの電車(新幹線みたいなやつ)に乗り込む。
フランスでは改札口がなくって、小さなマシンでチケットを自分で
パンチングしなくてはならないのですが、
彼女は急いで乗った事もあって忘れてしまう。
駅員さんに違法だ!と怒られるんだけど言葉が通じないし〜、、、
という展開から彼女の旅に関わっていくいろんな人たちのロードムービーなんだけど、

去年1人でこの電車に乗った時やっぱり同じようにパンチングしないとダメだよ!って
友達に聞かされていたのでよーくわかるこのシチュエーション。
あれって本当にわかりずらいんだよね。
もしやり忘れてたらこんなこといわれるんだーってどきどきしちゃった。

それに旅で意気投合していろんな方との出会いが出来て、
こんな旅ができるのも個人旅行ならではの醍醐味だなー。
臨機応変に自分でその場の善し悪しを判断して、自分を見失わず、
流れに身を任せるとこんな旅ができるんだなー。
改めて、旅っていいなーと思った。

それに、今回ジャック・ロジエ監督の作品を一挙に6作品観に行ってるんだけど、
大抵最後に決め台詞的なものが印象深いんだ。
「身の程しらないとね。」
冗談だとわからず、本気になってしまった電車の駅員さんが最後いたい目に会うんだけど、
それも人生ね〜なんて、彼の作品ではこんなメッセージを込めてるのが多いかも。
「勝手にしやがれ」も最後のサリフがなんとも印象深かったし。

なーんでこんなに心地よくこの映画の中にすっぽりと自分が入り込めるのか?
よくよく考えるとワンカットが長目。
飲んで歌って踊ってはしゃいでるシーンなんかは長いのね。
(観ていた時は、長いと感じないんだけど。)
それが実際自分が歌って踊っているとこんな気持ちになるなー、例えば
歌い始め、踊り始めは勢いでやるんだけど、あとはなんとなく盛り上がって、
止め時はいつにしようか?
なんて考える時間軸そのままで映し出されるのね。
割と充分だよね。ってくらい。
笑い疲れる瞬間そのぎりぎりまで流されていて、シーンが終わるというか。
そのタイミングがいいのよね。

それに登場人物が、格差社会を超えた人たちでのやりとりな訳で、
いつもだったら交わらない人たちが
バカンスで交流しあう感じとか、旅ならではのある風景だし。
いろんなフランス、いろんなフランス語を見れたな、って思ったわ。

彼の作品は、愉快にさせるし、なにより心地よい。
観終わって充実したなぁと思う作品が多いのが驚きだ。

寅さん要素も入ってるしね、見ながら笑っちゃうことしばしば。

アンコール上映決まったみたいなので、まだ観れます。
東京と大阪でやってるみたいね。(ほんと平日の昼間なのに込んでるよ〜。)

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フランス ジャック・ロジエ監督
1985年
http://www.rozier.jp/index.html
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オルエットの方へ [映画]

3時間の映画をこれほど充実してみることができるものなんだなぁ。。。

今、ヌーベルバーグで最も成功した作品と言われるジャック・ロジエ監督の
バカンスをテーマとした作品を東京と大阪でやっているのだ。

フランス人のバカンスが始まるちょっと前から職場に帰って来たまでを描いた作品。
3人女の子海辺の別荘へバカンスに行くんだけど、そこに女の子の1人ジョエルの上司ジルベールが
ジョエルと一緒にバカンスを過ごす為に偶然を装って来てしまう。
そして海であったヨットマンが現れて女の子3人と男の子2人の5人の関係がぎくしゃくして、、、
というあらすじなんだけど、、、

バカンスを始める数日前の職場からスタートし、バカンスを終え職場に戻るまでの一ヶ月を
ずーっと描いた作品で、フランス人のバカンスを一緒に楽しんでいるような気持ちになるのだ。
女の子特有の何でも笑って楽しく過ごしているシーンが延々(30分)続くも、
こちらも微笑ましく声を出して自分も一緒に笑ってしまう程だし、
実はここは彼女たちの即興らしいです。
そして恋する若者たちの気持ちのざわめきを一緒になって感じ取ってしまったり、
更にヨットのシーンなんかは、実際乗っているような感覚になって
体に力が入って波を避ける格好を取ってしまうのだ。
あれってカメラワークがさすがにすごいなぁ。。。

とにかく、私には経験のないバカンスというものを経験させてもらえて、
そのバカンスが終わってしまって、随分と堪能したなーと思わせる。
その場になにげに自分がいるんじゃないか?と錯覚までおこさせるこの作品。

すごいです。

そして、美しい。
女の子達の眩しい笑顔だったり、海の景色だったり、まばゆいくらいの青春を
謳歌しているシーンがなにより美しいのだ。
衣装やメイクもコレ又可愛いのだ。
今でもあり得るっ。

バカンスしたい。
恋したい。
海にいきたい。

19日までなんで、行けないかもしれないけど、行けるなら是非観に行ってほしいです。
心地いい映画とはこういう事なのね。
作り手としてどうとか、全く考えられなかったわ〜(汗)




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フランス 1969-0970
ジャック・ロジエ監督

http://www.rozier.jp/movie/orouet.html
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ユキとニナ [映画]

随分前になりますが、行ってきました。
初日に行くなんて滅多にありません。
カンヌでは評価が高いこの作品ではありますが、
なかなか初日、人がまばらで、日本では厳しいのかなぁ。
割と年齢の高い方が多く見られたのが印象的でした。
いち観客としては、このくらいが丁度いいのだけれどね。

タイトルからして、子供中心の映画だとわかるけれど
なんだかお母さん視点でこの映画を観てしまいました。

日本人のおかあさんとフランス人のお父さんの間に生まれたユキ(ハーフ)と
フランス人の旦那と別れたフランス人のお母さんをもつニナ(フランス人)の物語。
2人とも家のごたごたに巻き込まれ、ある日ニナは家を飛び出ると言いユキも一緒に出て行く。

子供って意外とタフなんだなって思わせる。
結婚して離婚して、、、と親の事情に振り回されている現実を見るといたたまれない。
ただ現実それも最近ではよくある話で、仕方ない出来事の一つなのかなと思って観たりしてた。
私がそのお母さんの立場になって考えると、絶対離婚しちゃならないと思って頑張っちゃうけど、
ひょっとして毎日(愛のない)けんかしている姿を見せているのも健全じゃないなーとかもなにげに思うんだよね。 
それは自分がそういう経験をしていないから今はそーいう風に思う(未知の事柄)のかも
しれないけどさ。
この日本人お母さんとフランス人のお父さんの些細なけんかは、
意外とお母さん視点で観てる私としては
「あー、これは怒るよね、怒って当然だよね。わかるわかる〜。」
とか思った。でも
「けんかしたからすぐに日本に帰らなきゃならない選択をするのは、
 お母さんもうちょっとフランスでがんばろうよ。子供の為にも自分の為にも」
とも思った。


さて、この作品はまたしても事前に台詞が存在しない。
子供相手でも諏訪監督は容赦しない。
フランスではそんな役者魂に火をつける諏訪監督の作品に出たいという役者が後を絶たないらしい。

観ていて印象に残ったシーンは、いくつかある。
ニナとそのお母さんとのどうして離婚したかのやり取り。
ニナのまくしたてて出てくる言葉には強さがあり、お母さんも圧倒される程。

ユキのお母さんが泣きじゃくるシーンでユキの反応。
離婚を阻止する為の手紙を天使からだと嘘をついてお母さんに送る。
それをみたお母さんが泣くのだが、泣く理由が自己中心的。
「ユキごめんじゃなくて、ユキわかって。」
これに役者初体験というユキ役の彼女は、キョトンとしている。
笑みさえこぼれている。
これはどうしていいんかわからなかったようで、
2テイク撮影して最後の方を選んだという。
ユキはきっとなぜここで泣くのか理解不能だったのだということらしい。
それは、フランスと日本の文化の違いなのか?それとも演技の上でなのかはわからない。

又家を出た先がニナが昔家族と遊びに行った森なのだけれど、
そこでニナと別れユキが1人で奥へ行くシーンは、
本当は、心細くなって泣いてしまう。
という展開だったのに関わらず、ユキ役の彼女は、「私は泣かない。」といってこのシーンを
変えることになったとエピソード。
このシーンはそんな背景も知らずに観ていた訳だが、彼女の顔つきといい、カメラワークといい
何かとっても子供って強いなぁと思わずにはいられなかったのだ。

これらのシーンが心に残っているのには、台詞回しが、自分の日常使っている言葉だからだと思う。
だから、台詞っぽくなく聞こえて来るのはその性だと思うし、
そのへんは役者にとっては勝負な部分ではあるよね。

ただ、ちょっと後半短いなと感じたのは私だけか?
摩訶不思議な展開になった後のシーンをもう少し堪能したいというか、
その中にまだいさせて欲しいのに急に、終わってしまった。
なぜか観きった感に欠ける作品だったように思う。

ただどうやって終わらせるかは途中私も考える余裕があったのは、
その役者にもどっぷり感情移入できそうでできないからだと思う。

皆さんはどう思うんだろう?
yahooの口コミは絶賛だったな。





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監督:諏訪敦彦/イポリット・ジラルド
フランス・日本 2009年

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id334882/


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ベトナムから遠く離れて(DVD) [映画]

ベトナム反戦ドキュメンタリー。
アラン・レネ、ウィリアム・クライン、ヨリス・イヴェンス、アニエス・ヴァルダ、
クロード・ルルーシュ、ジャン=リュック・ゴダールが監督した映像を最終的に
クリス・マルケルが編集して1本の作品に仕上げている。

すぐには理解はできなかった。今も理解できていない。
ただ数日後繰り返し映像がよみがえる。
この感覚はなんだろうなぁ。

ベトナムという国に興味がある。
ベトナム戦争にも興味がある。

大人になってすぐ今も戦争をしている国を知り、現地に赴いて何かできないだろうか?
とまじめに考えたことがあった。
そんな話を友人としたところ、「あたしは行かない」と言われた。驚いた。
そして、その夜遅くまで語り合った。

その時は意見が違うのだと理解して帰ったのだが、
ちょっとしてからなんだかその意味がわかるようになった。

というのは、素人の私が突然現地に行っても足手まといになるだけだ。
キャンプに行って難民の人の食事を横取りするだけだ。
病気になって薬の無駄使いをするだけだ。

その後、更に人助けの為だけでは勤まらないと難民キャンプで医師をやっている人が
きっぱり言っていた。
仕事じゃないと最後まで勤められないのよ、と。
もちろん、志を高く持った違う方もいらっしゃるとは思いますが、
私のような浅はかな考えで行くのは、危険。

そんなことがあってから、深く考えて考えて考え直した。
資本主義のこの国にいるのだからそこで出来る事を考えた方が早いのではないか。
その答えは数年前に語った友人の言葉通りとなった。


そんなことを思い出した映画だった。
遠く離れてベトナムを思い、反戦を訴えるドキュメンタリーだ。
撮影許可が下りなかったので、結果こういうスタイルを取ったと説明があったけど、
実際こうやって多くの人に観てもらい反戦を訴える方が現地に行くより
興味を持ってくれる人、協力してくれる人が多く募るのかもしれない。と。。。

そしてこれから自分が映像と関わって行くにあたっての被写体との距離感を考える必要が
大いにある勉強になる作品となった。

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クリス・マルケル監督 
フランス 1967年

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id20960/

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アバター [映画]

やっぱり観てきました。
昼間だというのに、満席。
みんな眼鏡をかけてスタンバイ。
あの眼鏡は私の鼻が低すぎるので下にずれてしまうし、
背もたれに頭を付けると眼鏡が浮いてしまうという、
なんだか集中できない事態を招いたのは否めない。

又、3Dに慣れるまで目の置き場所に迷い、前半酔って目を閉じる時もあった。

オーシャンズにも書いたけど、アバターを観るのには3Dがどれだけなのか?
というところにポイントを置いて観に行ったのだけれど、
誰もが想像できる展開のストーリーに意外と感動してしまったのは私だけだろうか?

終わった後トイレで並んでいる時に、御婦人が若い方に
「どうだった?若い方はどんな印象?」と尋ねると、
「おもしろかったです。」と答え、
「どこが?」と詰め寄ると、
「壮大なストーリーですよね。」と答え、
「画も、音も、最高にいいけど、ストーリーがつまらなかったわ。。。」と最後に言い、
トイレで並んでいる人たちの耳はその会話に釘付けになっていた。

さて、そのストーリーだけれど、
もののけ姫にどうしてもかぶってしまう。
又、途中象らしき大群が助けてくれるのは「ロードオブザリング」を思い出させた。
ただ、あの青い人たちを助けなくちゃと思うように持って行くのは、さすがだとは思った。

青い人たちをアマゾンやアボリジニ等の少数民族に置き換えてみたりしてて、
今我々がゴルフ場とか作っているのはここまで過激ではないにせよ、そういうことなのだな。
と思った。
それに自然がある意味地球に通ずるサイトになっているという点は意外と納得。
コミュニケーションがあの映画でいう髪の毛の通信であるようで、
次世代のあるべき姿としての映画の核心はおもしろいと思う。

すっごく時間をかけて大変な努力をされてここまで完成させたんだろうな。
ただ日常TVであのような3Dが観られるようになるというのはどういうことなのか?
今はちょっと想像しにくい。
だって、眼鏡かけっぱなしでしょ?

つまり、3Dというより内容の部分で興味があったのが、意外だった。
でもさすがそこが、監督だよね。

あと、あの人間たちは何人の設定だったのか?
アメリカ人だと思って観てたけど、そうだったら、、皮肉った監督ブラボーだな。

-----------------------------------
ジェームズ・キャメロン監督
2009年 アメリカ

http://movies.foxjapan.com/avatar/
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id334089/
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Dr.パルナサスの鏡 [映画]

今月末までTOHOの映画に年賀状ナンバー下一桁が1と4を持って行くと
いつでも1000円で映画が観れるんだよ。

ということで今私は1人TOHO祭りです。
その中でも興味があったのがこれ。

監督は違うけど、チャーリーのチョコレート工場が好きな人は是非行って欲しい。
この映画は好きだなぁ。
想像の世界、自分だったらどうなっているんだろう?とにかくあの鏡に入ってみたいと
子供のように思ってしまった。
映画ならではの夢のある世界を演出している。好きだなぁ。
急にジョニーデップが出て来た時には顔がにんまりしてしまいました。

頭の中で漠然と浮かんでは消えるそんな内容を具体的に画にすると
あのような世界になるんだなぁ。
誰よりも上に行きたいと思えば、天に登るはしごが出て来たり、
急に巨大な頭が登場したり、
嘘をつけば黒い川の蛇が出て来たり、
実際のところ、あんな世界が今のこの目に見える世界とは裏腹に
存在していると思うと、わくわくするよね。
映画だからみんなとそのイメージを共有できるけど、これから、嫌、今もそんな世界があって
みんながそんな世界を覗き見できるというかその世界にいることができたら、
その人の心の中が丸見えで、笑えるね。
よくスピリチュアルで何か見える人は、あんな感じで何か見えているのかなぁ?

あと、中世のヨーロッパのコスチュームというのかな?
あのような衣装を見ると、ちょっと震える。
怖いイメージがあるのよね。
なんでかわからないけど、キレイな世界だけど、怖い。

美術がいいなぁ。
大人のおとぎの国だし、何度も同じ事書いているけど、
こういう映画に会えると嬉しいな。

ヒース・レジャーさん役をみんなで代役たてて演じてたってことだけど、
その情報が無くても、特に私は気にならなかったな。
ご冥福をお祈りいたします。

----------------------------------
テリー・ギリアム監督
2009年 イギリス・カナダ

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id335026/
http://www.parnassus.jp/index.html
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オーシャンズ [映画]

何十年ぶりに並んでチケットを購入してしまいました。
でも並んだ原因は、オーシャンズではなく「アバター」でした。

観る前から懸念していたことが、大当たりになりました。

まず、映像はすばらしいです。
TVのメイキングでほとんど見てしまった感は拭えないのですが、
それでも大きなスクリーンであの映像を観れたのはちょっと感動したな。
とにかく海の中の生物は美しい。
関わった人にも敬意を評したい。

HALさんのブログですっかり好きになったウミウシ君も登場し、なんだかうれしくなっちゃった。
普段見れない世界なので、海の生き物の生態が見れて感動した。
海鳥がイワシを狙う為に海に飛び込む様は、ちょっとびっくりだよ。
誤って、イルカの背中に刺さったりしないのかね?
それに、脳しんとう起こしたりしないのかな?

海の中でのイルカやクジラの声に癒され、ちょっとうとうとしてしまったわ。
イルカ含めたほ乳類って可愛いなぁ。
セイウチの子供を抱っこしているシーンで、ジーンとしてしまいました。人間みたいだった。
いや、人間がセイウチみたいなのかもね。


こういった映画はどういう展開なのか?
そこが私のポイントだったのだけど、
作品を導くナビゲーターがいる。これは、一つヒントになったんだけど、
ヨーロッパではよくある、

 地球環境を救おうよ。人間が破壊していいの?

というメッセージが強く言葉で説明されている点なのだ。
前回の映画アースもこのようなメッセージが同じように入っていて、ちょっと(個人的に)違うな。と思ったんだけど、
今回も同じだった。
きっとそれがあるから作家の伝えたい事が明確であるには違いないんだけど、
あの映像を観るだけでも、観客はそれを意識できると私は思っているので、
いらないんじゃないかなって。。。

それに、エンディングの歌もメッセージ性の高い曲(日本語)でなくてよかったんじゃないかな。
ダメだしされた印象を受けてしまった。

とってもいい映画だったので、あえての感想だけど、
この映画よりもアバターが大人気ってことも今日納得したので
仕方ないのかも、、、となんだかやるせない気分で銀座の街をうろうろしたのでした。

ドキュメンタリーの生きる道はないのだろうか。。。


----
監督:ジャック・ペラン、ジャック・クルーゾー
2009年 フランス

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id334978/
http://oceans.gaga.ne.jp/
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バッハの肖像 [映画]

場所は、東京芸大馬車道校。
会社帰りにさくっと試写に伺う。

年齢層はかなり大人な雰囲気がする。
フランス人(勝手に決め付けているが)らしき外国の方(たぶん生徒だろう)が2
名。
国際フォーラム提供イベント「ラ・フォル・ジュルネ オ・ジャポン2009 
http://www.lfj.jp/lfj_2010/」のPR映画のようだ。

バッハって知っていたけどぉ、

 「いつどこで生まれてどんな曲なのか、今いってごらん?」

とフランス人の友達に尋ねられて全くわからなかった2009年7月。

 (ちょっとこいつ(私のこと)ダメかも。。。)

って思っているに違いない顔だった。
鹿児島ロケ先のホテルの室内BGMがバッハで「もっと大きくしてとホテルの人に伝
えて」と
むちゃくちゃいわれて、そのまま伝えたけど、他のお客様のこともあって無理ですっ
て。

そこから、フランスと日本の文化教育の差が歴然となったのだ。
日本というか、カエル個人というべきか。。。

youtubeにある曲はあまりに有名だった。
しかも、好きな方だった。
曲は知っていたけど、誰がどれという認識が薄かったようだ。
それから、企画段階の頭を使うときの仕事をするときは、バッハをかけていたりす
る。
作業に入ると、ラテンの方が乗るんだよね〜♪

で、今日の試写。
このバッハの肖像というタイトルはゴッホの肖像に引っ掛けたのか?
肖像って言葉がぴんと来ない。

ただこの時に演奏された、オケを聴いていると心地よくて眠りたくなるのは、音楽そ
れもクラッシック映画なら
最高のことなんではないかな?
それに指揮者が変わると、なんだか曲が変わるのは、曲に対する表現の仕方の違いな
んでしょうね。
それがわかっただけでもラッキー。

特に良かったのは、舞踏家の勅使河原さんとチェロの無伴奏であった。
チェロを真ん中に女性が足を開いてそして弦を弾いていく姿は、とってもエロい。
それに体で表現する即興舞踏が重なり合って、緊張の中、妖艶な個と合体が
スポットライトの光と影で共存する舞台。
あっぱれだったなぁ。
これは生でみたかったかも。

ただ、カメラのパンが気になったな。ちょっとフレームが定まらず左右に微妙に揺れ
たりするのが気になる。
あと、オケの撮影を中から撮影していて、観客席はライトは落ちているんだけど微妙
に観客の顔が見て取れる。
年配のおば様が大口空けて寝ていた姿は、指揮者よりも結構目を引くな。キモチいい
んだろうけどね。
だから、観に行くときは、みなさん気をつけてね。

そんなわけで、クラッシックはいいかも。バッハはいいかもです。
これは一般では上映するんだろうか?よくわかりませんが。。。

追伸
監督が舞台をみて、いたく興奮されているのがおもしろかった。
勅使河原さんでさえ、圧倒するほど。
あのインタビューは、ある意味、おもしろい。
-------------------------
2010年 日本
筒井武文監督

http://www.lfj.jp/lfj_2010/about/
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This is it [映画]

チャンスが来た。
今週末、ヱビスで再上映していたんだ。

ここにこうして映っている人が、今はいないと思うとなんとも切ない気持ちになる。
ミュージックドキュメンタリーは、スカパラのを観た事あるけど、これで二本目。
このThis is itは、映画とはわかっているんだけど、どうしてもコンサートにいる様な感覚になる。
これって作り方もすごいってことだよね。
コンサートの進み方と合わせて、マイケルのコメントでつなぎ進んで行くんだ。
もちろんコンサートのリハを元々メイキングを作っていたからしっかり撮っていて。。。

観ていても、自然と体がリズムを取っているのがわかる。
拍手したり、立ち上がったりししないのが不自然な気分になるんだ。
本来コンサートに行った時に、終わりに差し掛かると、

(終わらないで。)

という切ない気持ちになるんだけど、
この映画もそう思わせた。
いやこのコンサートは、そう思わせたんだ。

リハーサルなのに、ダンサーやバンドのメンバーもみんな聞き入っちゃっているのもわかる。
だって、すごいんだもの。


彼の曲を聞くと、自分がアメリカにいった時の事、当時の事を鮮明に思い出すんだ。
そしてきゅんとして、めちゃ感情移入してしまう。
そんな状態で、この映画を観たもんだから、帰りは放心状態だった。

この映画のいい所はマイケルがスタッフに話しかけている言葉から
彼の考えている事が垣間みれること。
マイケルの考えはあまり世の中に出てこないから、すごくうれしかった。

金髪のギターリストの女の子と舞台での絡みでね、
その曲中は常にマイケルと彼女が舞台で2人一緒にポーズを取ったりするんだけど
最後のところで、一旦リハを止めて、こう言うんだ。

「ここは、君の見せ場なんだ。僕が一緒にいてあげるから。」


 僕が一緒にいてあげるから!!!!

スタッフへの気遣い、舞台を成功させたい気持ち、
観客に日常から切り離し想像できない世界へ連れて行く。


そして歌もすごいけど、ダンスがすごい。
どんな体しているんだ?
50歳というのに、しなやかで俊敏で美しい。


 辛い。
 彼がいないのは、大変辛い。
 ここで私がいつも思うのは、ジョンレノンとマイケルジャクソン、今この世にいないことが
 相当、辛い。


i miss you.

--------------------------
ケニー・オルテガ監督
アメリカ 2009年

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id334766/
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牛の鈴音 [映画]

リーフレット見たとたん、これは行かないと!思っていたら、
友人から、この評判いいらしいよと言われて早速行って来ました。
初日に行くなんて超久しぶりかも。あ、ひょっとして初めてかも?
(ぶんじんさんもご存知でしたね~。)

(ネタばればれ。書きたいことだらけ)
牛とおじいちゃんの物語です。
機械化が進む中おじいちゃんはかたくなに牛で田畑を耕し続ける。
それをみておばあちゃんは文句を言い続ける。
牛は、寿命15年なのにその牛は30年もおじいちゃんと生きている。

これとリーフレットの感じで、たぶんこの牛は死んでいくんだなってわかったんですが、
それで感動させるのか?どうか、そこが気になっていました。

ところが、そうじゃない。
牛は死ぬんだけど、そこじゃない。
なんとも言えない二人(牛とおじいちゃん)のツーショットに涙溢れちゃうのです。
共に30年生きてきた2人の姿だけで感動しちゃうんです。
危うく声出しそうになってしまいました。(笑)自分でも驚きでした。何でこんなに心が熱くなるんだって。

車がバンバン通る大通りを病院まで牛車に乗っていくシーンなんてホント参っちゃう。
それも、人が歩くより遅いスピードで進むのですからね。
ちなみにおじいちゃんは足が悪いので牛車を使わないと長い距離歩けない。
おじいちゃんの話だと、おじいちゃんが後ろで寝ていても牛が家につれて帰ってきてくれたって街の人に自慢していました。
2人は信用し合ってます。
実の子供よりも役に立つって街の人から言われて、にこにこしているおじいちゃんが印象的でしたね。
牛の餌に至っては、作物が虫に食われるよりも牛に害のあるものを食べさせたらならないってことで
農薬を使わないんですよ。

でも最終的には老夫婦だけに牛の面倒をみるのが大変で牛を売りにいくです。
でも、おじいちゃんは決して安値じゃ売らない。
この時に思ったのは、おじいちゃんと牛の関係は、私が今観て感じているものとは全く違う質のものなんだってことに気づきました。
共に生きてきた愛情深いいとおしい存在であると同時に、生活としても牛が不可欠であるものなのだ、というところです。
そこが又よかったんです。
ここで、まさか売りに行く!なんて薄情な!等とならないところが、
人間の営みというか、昔の子供を里親に出してしまうような心境というか。
やるせなさ、それが現実というか。
結果、老牛は売れないんです。売らないんです。


画に力があるんだな。
ドキュメンタリーで人を追っているんだけど、フレームがいいんだよね。
鈴音も効果的に使っているし。

なんでこんなに感動するんだろうか?

そこには、おばあちゃんの毎日小言をいう部分が非常に効果的に使われているように思う。
おじいちゃんは基本的には耳が遠いこともあるけど寡黙な人で滅多にしゃべらない。
だから、おばあちゃんがずーっと一人で怒鳴っている。
それとは対照的に牛とおじいちゃんが静かに寄り添って共に働いている姿が映し出される。

かといって、おばあちゃんは悪者かといえば、そうでもなくて、おばあちゃんだって牛がかわいいし、
おじいちゃんを心配するが故に又頼っている一面もある。
だから、頑固なおじいちゃんの周りで牛とおばあちゃんが振り回させていてるんだけど、
消して逃げたりしないで、むしろ従順に助けながら生きている。
だからやっぱりおじいちゃんが主人公で、それを取り巻く牛とおばあちゃんが効果的に
編集されているのがわかりやすいんだろうね。
それにおばあちゃんの心の変化と牛の死への時間軸がしっかりあるので、ぶれたりしないんだよ。

前日のコープロデューサーの話で、
監督は編集に行きづまっておりプロデューサーの元へ訪れたらしいです。
それまでは、自分が撮っていた素材で面白みを感じていなかったそうだけど、
コープロデューサーとの話し合い?指示?でここまで仕上がったそうです。
監督自体も、面白くなってきたと言っていたと。。。
コープロデューサーはこの作品を借金して買って(買うことになってしまって)
ここまでにしたんだからすごい目を持った人だよね。
家庭のお金には手をつけない、という信念があったんだけどそれを破って
奥さんに内緒だけど、住宅保険を担保に借金したって言ってました。
おかしい人だ。

フィクションのようにちょっと演出した編集(おばあちゃんのため息)が若干あるような気がするけど
それがあってさえも、質のよいドキュメンタリーだなって思うな。

シンプルなストーリーなんだけど、画力があるっていうのかな。
沢山の(人としての)記憶をよみがえらせてくれる。。。
牛もおじいちゃんもおばあちゃんも、ちゃんと人柄が見えてくるんですよ。

そこには、もちろん笑いもあるし。
いい時間だったな。

ちなみに韓国では3人に1人が観ているんだって。
大阪でも上映してます!
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イ・チュンニョル監督
2008年 韓国

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id334944/
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