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ユキとニナ [映画]

随分前になりますが、行ってきました。
初日に行くなんて滅多にありません。
カンヌでは評価が高いこの作品ではありますが、
なかなか初日、人がまばらで、日本では厳しいのかなぁ。
割と年齢の高い方が多く見られたのが印象的でした。
いち観客としては、このくらいが丁度いいのだけれどね。

タイトルからして、子供中心の映画だとわかるけれど
なんだかお母さん視点でこの映画を観てしまいました。

日本人のおかあさんとフランス人のお父さんの間に生まれたユキ(ハーフ)と
フランス人の旦那と別れたフランス人のお母さんをもつニナ(フランス人)の物語。
2人とも家のごたごたに巻き込まれ、ある日ニナは家を飛び出ると言いユキも一緒に出て行く。

子供って意外とタフなんだなって思わせる。
結婚して離婚して、、、と親の事情に振り回されている現実を見るといたたまれない。
ただ現実それも最近ではよくある話で、仕方ない出来事の一つなのかなと思って観たりしてた。
私がそのお母さんの立場になって考えると、絶対離婚しちゃならないと思って頑張っちゃうけど、
ひょっとして毎日(愛のない)けんかしている姿を見せているのも健全じゃないなーとかもなにげに思うんだよね。 
それは自分がそういう経験をしていないから今はそーいう風に思う(未知の事柄)のかも
しれないけどさ。
この日本人お母さんとフランス人のお父さんの些細なけんかは、
意外とお母さん視点で観てる私としては
「あー、これは怒るよね、怒って当然だよね。わかるわかる〜。」
とか思った。でも
「けんかしたからすぐに日本に帰らなきゃならない選択をするのは、
 お母さんもうちょっとフランスでがんばろうよ。子供の為にも自分の為にも」
とも思った。


さて、この作品はまたしても事前に台詞が存在しない。
子供相手でも諏訪監督は容赦しない。
フランスではそんな役者魂に火をつける諏訪監督の作品に出たいという役者が後を絶たないらしい。

観ていて印象に残ったシーンは、いくつかある。
ニナとそのお母さんとのどうして離婚したかのやり取り。
ニナのまくしたてて出てくる言葉には強さがあり、お母さんも圧倒される程。

ユキのお母さんが泣きじゃくるシーンでユキの反応。
離婚を阻止する為の手紙を天使からだと嘘をついてお母さんに送る。
それをみたお母さんが泣くのだが、泣く理由が自己中心的。
「ユキごめんじゃなくて、ユキわかって。」
これに役者初体験というユキ役の彼女は、キョトンとしている。
笑みさえこぼれている。
これはどうしていいんかわからなかったようで、
2テイク撮影して最後の方を選んだという。
ユキはきっとなぜここで泣くのか理解不能だったのだということらしい。
それは、フランスと日本の文化の違いなのか?それとも演技の上でなのかはわからない。

又家を出た先がニナが昔家族と遊びに行った森なのだけれど、
そこでニナと別れユキが1人で奥へ行くシーンは、
本当は、心細くなって泣いてしまう。
という展開だったのに関わらず、ユキ役の彼女は、「私は泣かない。」といってこのシーンを
変えることになったとエピソード。
このシーンはそんな背景も知らずに観ていた訳だが、彼女の顔つきといい、カメラワークといい
何かとっても子供って強いなぁと思わずにはいられなかったのだ。

これらのシーンが心に残っているのには、台詞回しが、自分の日常使っている言葉だからだと思う。
だから、台詞っぽくなく聞こえて来るのはその性だと思うし、
そのへんは役者にとっては勝負な部分ではあるよね。

ただ、ちょっと後半短いなと感じたのは私だけか?
摩訶不思議な展開になった後のシーンをもう少し堪能したいというか、
その中にまだいさせて欲しいのに急に、終わってしまった。
なぜか観きった感に欠ける作品だったように思う。

ただどうやって終わらせるかは途中私も考える余裕があったのは、
その役者にもどっぷり感情移入できそうでできないからだと思う。

皆さんはどう思うんだろう?
yahooの口コミは絶賛だったな。





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監督:諏訪敦彦/イポリット・ジラルド
フランス・日本 2009年

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id334882/


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コメント 4

ぶんじん

子供が頑張っている映画、弱いなぁ。観たらきっと泣いてしまうでしょう。
by ぶんじん (2010-02-14 08:54) 

maki

なんか、観てみたくなった♪
by maki (2010-02-14 16:03) 

FUCKINTOSH66

ん〜。まだ観てない。日仏合作なの?
by FUCKINTOSH66 (2010-02-14 17:53) 

カエル

ぶんじんさん
頑張ってるけど、大人より強いのですよ〜。

makiさん
観てくれたらうれしい〜。

F66さん
うん、合作。監督は日本人とフランス人の共同監督なのです。

by カエル (2010-02-16 00:16) 

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