SSブログ

ベトナムから遠く離れて(DVD) [映画]

ベトナム反戦ドキュメンタリー。
アラン・レネ、ウィリアム・クライン、ヨリス・イヴェンス、アニエス・ヴァルダ、
クロード・ルルーシュ、ジャン=リュック・ゴダールが監督した映像を最終的に
クリス・マルケルが編集して1本の作品に仕上げている。

すぐには理解はできなかった。今も理解できていない。
ただ数日後繰り返し映像がよみがえる。
この感覚はなんだろうなぁ。

ベトナムという国に興味がある。
ベトナム戦争にも興味がある。

大人になってすぐ今も戦争をしている国を知り、現地に赴いて何かできないだろうか?
とまじめに考えたことがあった。
そんな話を友人としたところ、「あたしは行かない」と言われた。驚いた。
そして、その夜遅くまで語り合った。

その時は意見が違うのだと理解して帰ったのだが、
ちょっとしてからなんだかその意味がわかるようになった。

というのは、素人の私が突然現地に行っても足手まといになるだけだ。
キャンプに行って難民の人の食事を横取りするだけだ。
病気になって薬の無駄使いをするだけだ。

その後、更に人助けの為だけでは勤まらないと難民キャンプで医師をやっている人が
きっぱり言っていた。
仕事じゃないと最後まで勤められないのよ、と。
もちろん、志を高く持った違う方もいらっしゃるとは思いますが、
私のような浅はかな考えで行くのは、危険。

そんなことがあってから、深く考えて考えて考え直した。
資本主義のこの国にいるのだからそこで出来る事を考えた方が早いのではないか。
その答えは数年前に語った友人の言葉通りとなった。


そんなことを思い出した映画だった。
遠く離れてベトナムを思い、反戦を訴えるドキュメンタリーだ。
撮影許可が下りなかったので、結果こういうスタイルを取ったと説明があったけど、
実際こうやって多くの人に観てもらい反戦を訴える方が現地に行くより
興味を持ってくれる人、協力してくれる人が多く募るのかもしれない。と。。。

そしてこれから自分が映像と関わって行くにあたっての被写体との距離感を考える必要が
大いにある勉強になる作品となった。

------------------------------------
クリス・マルケル監督 
フランス 1967年

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id20960/

nice!(19)  コメント(4)  トラックバック(0) 

nice! 19

コメント 4

ぶんじん

歳を食ってくると、“パワーゲーム”に対しても何となく「そう言う考え方もあるよなぁ」と思えてきてしまう。また、各国の歴史を学んでいくと多様な価値観があるだということもなんとなく理解できてくる。でも、若いときに感じた素直な想いが自分にとっては”正しい”こと何じゃないかと思えます。
この作品を観ていないので、直接的な感想でなくてごめんなさい。
by ぶんじん (2010-02-11 09:24) 

カエル

ぶんじんさん
ありがとうございます。
映画を観て自分の人生を振り返る事が多くて、映画から学ぶ、考える、想像するきっかけをいつももらっているように思います。
情報に振り回されず自分の気持ちで動ける人間でいるには、知識、正確な情報がないといけないことを痛感しているこのごろです。
by カエル (2010-02-12 00:57) 

FUCKINTOSH66

>被写体との距離感
これは考えるよねぇ。映画とかに関わってなくてもけっこー考える。フィクションとドキュメンタリーと、はたまた報道と、全然距離感違うしなぁ。写真撮っててもそれはすごく感じるところ。資本主義ねぇ。この超資本主義大国&戦争大国で暮らしてると、もうイイ意味での資本主義や正義なんてとっくの昔にないんだなぁって思ったりしますわ。あ、もしまだ観てなかったら or もし興味があったら、モフセン・マフマルバフ監督(イラン人監督)の「カンダハール」、オススメです。もうすでに鑑賞済みだったらsorry! 長々と失礼しましたっ。
by FUCKINTOSH66 (2010-02-14 17:48) 

カエル

F66さん
距離は、作風によるよね。
近過ぎてもダメだし、遠慮しててもダメだし。
なんだか、自信が無くてまだ人を対象に考えられないです。
イランの映画ありがとう。
チェック!
by カエル (2010-02-15 17:34) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0