SELF AND OTHERS(DVD) [映画]
私がこの学校を選んだ理由の一つとして佐藤真さんに教えていただきたいということがあげられるだろう。
最初の授業当日にそれが叶わぬ夢になるとは、思いもしなかった。
写真家牛腸茂雄さんのドキュメンタリー。
ただ、その牛腸さんはもうこの世にはいない。
そうなると過去の映像からどのようにしてドキュメンタリーをつくるのだろうか?に興味があった。
観終えて、驚くことにしっかりと私の心に牛腸茂雄さんが刻まれてしまった。
誰一人としてインタビュー映像もなく、見知らぬ街の、日常の風景が何度となく続く。
そして彼の作品が一定の間隔で流されるのだ。
これは牛腸さんが撮影した場所、もしくはゆかりのある場所を中心に追っているんだなと途中から気づかされる。
彼の作品は、ほとんどがポートレートで、それがちょっとぞっとするのだ。
(ごめんなさい牛腸さんそれに被写体の方にも)
あちらから見つめられているような、見ている側が試されているようなそんな感覚にさせられる。
写真に写された人から強い意志を持ってこちらを見ているような気がする。
映画の中で唯一その表紙になった双子の女の子のインタビューが声だけでてくるのだが、
「あまりこの写真すきじゃない」とかなんとか言っていたような気がする。
そして、この映画は、彼牛腸さんの作品そのものを表現したかったのだろうと私は行き着いた。
表現者として、本人に会うよりもその表現したものから本人をより理解できることが多々あると思う。
(理解できるといっても、その本人のある一部ではあるけれど)
よって、この映画は、牛腸さんの作品を見せることで牛腸さんがどのような方なのかが理解できるし、
又、この映画を作った佐藤さんがどのような方なのかが理解できるという2重構造になっているのだ。
そして突然ナレーション(今をときめく西島秀俊さん)とは違った声、テープレコーダーから聞こえてくる肉声が
挿入されるのだが、ちょっと気味悪いのだ。
いる。いたんだ。
映画に没頭する中で、被写体の牛腸さんがすでに2次元の世界に形をかえて私の中に入ってきていた矢先に
この声を聞くと、牛腸さんが、まだいるんだ、本当にいたんだ。とぎょっとするのだ。
自分が観終わってから佐藤さんのテキストを読む。
佐藤さんの阿賀を生きると牛腸さんの写真と似ているという映画評論があった。と書かれていた。
トーチカでもそうだが、2人には接点があるのだ。
そして2人から以外の+アルファで、相乗効果の結果にでてくるなにがしのメッセージを
受け取った気がしてならないのだ。
そして、ドキュメンタリーは特にカメラマンと監督の関係が重要だということも再認識させてもらえた。
表現は無限。
こうやってこれからも佐藤さんから学ぶことはあるんだな。。。
2人に対して、ご冥福をお祈りしたい。
-----------------------------
佐藤真監督
2000年 日本
http://www.cine.co.jp/works1/selfandothers/
最初の授業当日にそれが叶わぬ夢になるとは、思いもしなかった。
写真家牛腸茂雄さんのドキュメンタリー。
ただ、その牛腸さんはもうこの世にはいない。
そうなると過去の映像からどのようにしてドキュメンタリーをつくるのだろうか?に興味があった。
観終えて、驚くことにしっかりと私の心に牛腸茂雄さんが刻まれてしまった。
誰一人としてインタビュー映像もなく、見知らぬ街の、日常の風景が何度となく続く。
そして彼の作品が一定の間隔で流されるのだ。
これは牛腸さんが撮影した場所、もしくはゆかりのある場所を中心に追っているんだなと途中から気づかされる。
彼の作品は、ほとんどがポートレートで、それがちょっとぞっとするのだ。
(ごめんなさい牛腸さんそれに被写体の方にも)
あちらから見つめられているような、見ている側が試されているようなそんな感覚にさせられる。
写真に写された人から強い意志を持ってこちらを見ているような気がする。
映画の中で唯一その表紙になった双子の女の子のインタビューが声だけでてくるのだが、
「あまりこの写真すきじゃない」とかなんとか言っていたような気がする。
そして、この映画は、彼牛腸さんの作品そのものを表現したかったのだろうと私は行き着いた。
表現者として、本人に会うよりもその表現したものから本人をより理解できることが多々あると思う。
(理解できるといっても、その本人のある一部ではあるけれど)
よって、この映画は、牛腸さんの作品を見せることで牛腸さんがどのような方なのかが理解できるし、
又、この映画を作った佐藤さんがどのような方なのかが理解できるという2重構造になっているのだ。
そして突然ナレーション(今をときめく西島秀俊さん)とは違った声、テープレコーダーから聞こえてくる肉声が
挿入されるのだが、ちょっと気味悪いのだ。
いる。いたんだ。
映画に没頭する中で、被写体の牛腸さんがすでに2次元の世界に形をかえて私の中に入ってきていた矢先に
この声を聞くと、牛腸さんが、まだいるんだ、本当にいたんだ。とぎょっとするのだ。
自分が観終わってから佐藤さんのテキストを読む。
佐藤さんの阿賀を生きると牛腸さんの写真と似ているという映画評論があった。と書かれていた。
トーチカでもそうだが、2人には接点があるのだ。
そして2人から以外の+アルファで、相乗効果の結果にでてくるなにがしのメッセージを
受け取った気がしてならないのだ。
そして、ドキュメンタリーは特にカメラマンと監督の関係が重要だということも再認識させてもらえた。
表現は無限。
こうやってこれからも佐藤さんから学ぶことはあるんだな。。。
2人に対して、ご冥福をお祈りしたい。
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佐藤真監督
2000年 日本
http://www.cine.co.jp/works1/selfandothers/
カエルさんのお話を読んでいたら、とっても観たくなりました^^
by hatsu (2009-11-19 06:09)
hatsuさんへ
きっと、好き嫌いがあるかもしれません。
でも私は、ちょっと驚いた作品の一つとして記憶されちゃいました。
by カエル (2009-11-20 02:22)
映画ってホントウにオモシロイですねー
観る人によってまるで感じ方、とらえ方が違う。
七色の解釈。
でも私もテープレコーダーからきこえてきた声、
あれには一瞬ハッと。
いやゾッとさせられました。
音の持つ不思議な力を感じたのでした。
by akisugi (2009-12-20 23:34)
akisugiさん
コメありがと!
あの声は申し訳ないけど、ちょっと怖かった。
でも、生きている証なんだよね。
おとぎ話でなくて、実際生きていた人なんだからね。
あの使い方が、絶妙なんだよ。佐藤さんって。
by カエル (2009-12-21 00:41)